世界最速の旅客機として君臨したコンコルド この機体はなぜ生まれ、そして消えていったのでしょうか

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世界最速の旅客機として君臨したコンコルド。この機体はなぜ生まれ、そして消えていったのでしょうか。


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1976年に定期路線に就航

コンコルドが定期路線に就航したのは1976年のこと。エールフランス航空がパリ – ダカール – リオデジャネイロ 間にブリティッシュ・エアウェイズがロンドン – バーレーン間に就航させたのが始まりのようです。
コンコルドはフランスとイギリスの航空機メーカーが共同で開発をおこなったという経緯があるため、両国を代表するエアラインが一番始めに定期運行を始めたのでしょう。就航当初の人気は非常に高く、各国のエアラインから100機以上のバックオーダーを抱えていたようです。

最高時速はマッハ2.0

コンコルドの特徴はなんといってもそのスピード。コンコルドはマッハ2.0 時速にすると2146km/hというとんでもないスピードで飛行することができました。(通常の旅客機はその半分以下)
2146km/hというのは地球の地表における地球の自転スピードを上回る数字。そのためコンコルドに乗って西に飛び続けると、いつでも同じ時刻ということも可能でした。(時刻は変わらないが、日付変更線を超えた瞬間に日付だけが変わる)
このスピードのおかげで、ニューヨーク – ロンドン 間を3.5時間で結ぶことが可能になりました。それまでの航空機だと7時間かかっていた距離です。時間の惜しい経営者等の富裕層には相当歓迎されたようですね。

座席はわずか100席 価格はファーストクラス並み

スピードと引き換えになったのは座席数。コンコルド1機の客席数は100しかありませんでした。当時の主力であったボーイング747の座席数500以上であったことを考えると、これは相当少ない数字です。
そのため乗客一人を運ぶのにかかる価格が大きくなり、コンコルドに搭乗するためには通常の旅客機のファーストクラス並みの料金を支払う必要がありました。機内サービスは相当充実していたようですが、エコノミークラスとほとんど変わらない座席でその値段を出すくらいならば、ファーストクラスのゆったりした座席でのんびり移動したいと考えてしまいますね。

普及の妨げはソニックブーム

いろいろと規格外なコンコルドですが、大きな問題を抱えていました。それは、飛行機が音速を突破した際に発生するソニックブーム。ソニックブームとは非常に高いエネルギーをもった波の塊のようなもので、はるか上空をとぶ飛行機が発生させたものでも、地表の民家の窓ガラスを割ってしまうことがあります。
ソニックブームの問題が表面化した後、コンコルドは陸上で音速以上の速度を出すことができなくなってしまいました。大西洋上では問題なかったのですが、アメリカ本土を音速飛行できないことはコンコルドのセールス上大問題で、ソニックブーム問題発覚後は各エアラインが発注をキャンセルし、結局はエールフランス航空とブリティッシュ・エアウェイズのみが所有するのみになってしまったのです。
その両者も悪い燃費によって採算が取れないことや、安全面の問題から運行を終了。夢の超音速機コンコルドは2003年に現役を引退することになりました。

現在民間人が超音速機に乗る方法はありません。コンコルド、1度は乗ってみたかったですね。