SFでもよく登場するブラックホール。本当にこの宇宙に存在するのでしょうか?
たしかに存在はするのですが、「突然現れて全てを飲み込んでしまう」のではなく、「宇宙ができた時から存在し、周りのものが勝手に引き寄せられていく」もののようです。
ブラックホールは強大な引力をもつ
実はブラックホールとは極めて強い引力の(元)星。その引力は強大で、太陽系で最も重い星である太陽の数百万倍以上と言われています。宇宙でよくある途方も無い数字ですね。
ブラックホールと名付けられた理由はその名の通り黒いからなのですが、いったいなぜ黒いのでしょう?
その理由は、引力があまりに強大で光すらも脱出できないから。光は1秒間に30万km(地球7.5周分)進むこの宇宙で最速の存在ですが、その光すらも捕獲して離さない引力を誇ります。
光が脱出できないため、ブラックホールがある領域には不自然に「光が無いように」見えます。そういった状況から、この辺りにブラックホールがあるのではないかと予想するのですね。
ブラックホール – Wikipedia

強大な引力の元では物理法則も捻じ曲がる
さてこのブラックホール、強大な引力を誇るため常識的な物理法則が通用しません。
かのアインシュタインが提唱した相対性理論によると、時間の流れは一定不変ではないとされ、強力な引力の下では時間の流れがゆっくりになるとされています。
時間の流れはブラックホールに近づくほどどんどん遅くなり、光が脱出できなくなる重力に達した場所(事象の地平線)で止まってしまいます。
ブラックホールに落ちていく星を遠くから観測していても、落ちていく星自体の時間が停止してしまうため、どれだけ待っても事象の地平線の内側へ落ちていかないという、にわかには信じ難い現象が発生するようです。

事象の地平線の内側はどうなっている?
時間が停止してしまう事象の地平線の内側、すなわちブラックホールの中心部はどうなっているのでしょうか?
現時点で様々な理論が提唱されていますが、実際のところは不明。何しろ事象の地平線の内側からは光すらも脱出できないため、人類が情報を得る術がないのです。
時間が停止するのだからそもそも何も落ちていかない可能性もありますし、時間が逆行していて、タイムマシンを作る重要なファクターなのかもしれません。
この分野は世界でも現在進行形で実験が進められていて、原子を亜高速まで加速させて衝突させた際の副産物にマイクロブラックホールが生成されるかも・・・なんて話もあったようですね。(生成されても一瞬で蒸発するはず)

事象の地平線は実は地球にも存在していて、 その半径(シュバルツシルト半径)はおよそ9mm。そこまで到達できれば、ブラックホールについて新たなことが分かるかもしれませんね。