イーロン・マスク氏率いる民間の宇宙開発会社であるSpaceX 社が新型宇宙船の打ち上げに成功したようです。新型宇宙船は有人タイプ。民間企業が人を宇宙に送る日も近いのかもしれません。
Elon Musk: Tesla, SpaceX, and the Quest for a Fantastic Future (English Edition)
SpaceX 社は定期的に宇宙船を打ち上げている
SpaceX 社は2002年にイーロン・マスク氏によって設立された民間宇宙開発ベンチャー企業。イーロン・マスク氏はインターネット決済サービスであるPayPal や、電気自動車メーカーであるTesla で有名な実業家です。
ベンチャー企業でありながらロケットの打ち上げ実績は豊富。主力ロケットである「ファルコン9」は打ち上げ総数55回。そのうち打ち上げ成功数は53回と優れた実績を誇っています。
インターネットを介した打ち上げの生中継にも力を入れていて、これまでの打ち上げはYouTube 上で確認することが可能です。イーロン・マスク氏がい実際に使用してた「テスラ・ロードスター」を宇宙に打ち上げる様子など、興味深い動画を見ることができます。
スペースX – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/スペースX
新型宇宙船「クルードラゴン」は有人宇宙船
今回SpaceX社が打ち上げた宇宙船の名称は「クルードラゴン」。クルーという単語が入っていることから想像できるように、これは有人宇宙船です。
とはいえ今回はテストフライト。実際に人間を搭乗させて宇宙空間に飛ばしているわけではなく、ダミーのセンサー付き人形を載せているようですね。
打ち上げは問題なく成功。これまで数々の打ち上げを行ってきた経験と実績をもつSpaceX 社からすれば、これくらいは朝飯前といったところでしょうか。
YouTube
本当のミッションは打ち上げ後
いつもであれば打ち上げが無事終了してお疲れ様・・・となるのですが今回は状況が異なります。今回打ち上げたのは有人宇宙船。やらなければ行けないことが2つあります。
- 国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキング
- 宇宙飛行士の地球への帰還
国際宇宙ステーションへのドッキングは大きな問題はないでしょう。打ち上げが成功した時点で、事前に計算した軌道への投入にも成功しているはず。ここから大きな問題が発生するとは考えにくいです。
問題は地球への帰還。地球に戻ってくるためには大気圏に再突入し、断熱圧縮による熱に耐え、安全に地面または海面に着陸させなければなりません。これがうまく行くかは不透明です。
大気圏への再突入は3月7日に行われる予定。その様子もきっとYouTube でライブ配信されるでしょう。今後の情報に注目です。
スペースシャトルが現役を退いたアメリカは、現在宇宙に人を送る手段を持っていません。(ロシアのソユーズを利用させてもらっている状況) SpaceX 社の成功を最も願っているのは、アメリカ政府かもしれませんね。