ポルシェが新型911 のエアロダイナミクスの解説動画を公開 考え抜かれた空力を見てみよう

クルマ

ポルシェ公式が新型911のエアロダイナミクスを解説する動画を公開しました。なかなか興味深い内容となっています。


AUTOart 1964 Porsche (ポルシェ) 911 1/18 Red AA77912 ミニカー ダイキャスト 自動車 (並行輸入)

 

エンジンを冷却するラジエータはフロントに配置

最初に紹介されているのはフロントに配置されたラジエータについて。ラジエータとはエンジンを冷却するための冷却水を空気で冷却するための装置で、エンジンのオーバーヒートを防ぐためにフロント中央の一等地に配置されることがほとんどです。

ただ911については少し状況が異なります。まずエンジンがリアに搭載されているため、ラジエータをフロントまで持ってくる必要があます。また水平対向エンジンのためフロントまで持ってくる過程でラジエータが左右に別れ、フロントタイヤの前に配置されています。

動画内では強制空冷のためのファンも確認でき、極力空力抵抗を減らそうとしているようですね。フロントタイヤハウジングにエアを通すことでブレーキを冷却する効果もありそうです。

 

インタークーラーはリアに搭載

新型911は全モデルにターボチャージャーが搭載されています。ターボチャージャーとは吸気を圧縮してエンジンに過給するための装置。圧縮した際に高温になった吸気はそのままエンジンに供給しては問題があるため、インタークーラーという装置で冷却を行う必要があるのですね。

そのインタークーラーはリアエンジンのすぐ近くに搭載。新型911から縦型となったリアのエアスリッドから入ったエアが内蔵されたインタークーラーを通り、リアサイドに抜けて行くエアフローとなっています。(これで十分に冷却できるのが驚き)

 

70km/h でラジエータのシャッターが閉まり、90km/h でリアウイングがオープン

動画を見ていて驚いたのが、スピードが上がり70km/h を超えるとラジエータのシャッターが閉まるということ。空気抵抗を減らすための措置のようですが、高速走行で高温となるエンジンを冷却するためのラジエータのシャッターを閉じるのは意外ですね。

90km/h を超えるとリアウイングがオープン。911のベースモデルはリアエンジンリアドライブのため、高速域での後輪への荷重は非常に重要です。荷重を補うためにリアウイングは必要不可欠なのでしょう。

 

170km/h でラジエータのシャッターが開き、リアウイングは最大傾斜に

170km/h という超高速域に入ると、ラジエータのシャッターが再びオープン。この速度域までくるとエンジンへの負荷は相当のものだと考えられ、最大の冷却性能を得ようとしているようですね。

リアウイングも同様に最大パフォーマンスへ。傾斜が急峻となり、最大のダウンフォースを得る設定となりました。日本ではサーキットでしかお目にかかれない状態でしょう。

 

考え抜かれた空力と美しい形状を持つポルシェ911。ますます欲しくなってしまいました。