以前当ブログでお伝えした、「端末代金」と「通信料金」の完全分離を定めた法案が間もなく国会へ提出される模様。なぜこの法案が提出されようとしているのかまとめてみました。
現在は「端末代金」も「通信料金」も同じ携帯電話会社に支払っている
まず最初に把握しておかなければならないことは、現在多くの方々は「端末代金」と「通信料金」を支払っているということ。
- 端末代金:スマートフォン本体の値段を毎月に分轄して支払い
- 通信料金:スマートフォンのインターネットや通話にかかる料金
内訳は携帯電話会社からの明細書や、 Web上のマイページから確認可能です。
例えば、毎月の支払額として以下のような例が考えられます。
- 総請求額:10,000円
- 端末代金:3,000円
- 通信料金:7,000円
このようにシンプルな形であれば総務省も口出しはしないのでしょうが、実態はかなり異なります。
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端末代金を分割購入することで通信料金を割引
「端末代金0円」というワードを耳にしたことはあるでしょうか?
「私の携帯電話会社でこの機種を購入してくれれば、端末代金を0円にしますよ〜」という制度です。
単にこの話を聞いただけでは、以下のような料金になると考えがちです。
- 総請求額:10,000円 -> 7,000円
- 端末代金:3,000円 -> 0円
- 通信料金:7,000円
ですが、実際には以下のようになっています。
- 総請求額:10,000円 -> 7,000円
- 端末代金:3,000円
- 通信料金:7,000円 – > 4,000円
「端末代金」を割り引いているのではなく、「通信料金」を割り引いているのですね。
結局安くなるのであればどちらであっても問題ない・・・のは確かなのですが、通信料金を割り引く「条件」を総務省は問題視しているようです。
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通信料金の割引には長期契約が必要
ここで登場するのが 「2年縛り」や「4年縛り」といったワード。これらを耳にしたことがある方も多いでしょう。
通信量の割引の「条件」として提示されるのが、「2年縛り」や「4年縛り」といった長期契約の締結。これに背いて解約を行う場合には違約金の支払いが必要になってきます。
- 指定された期間内での解約:違約金なし
- それ以外のタイミングでの解約:違約金が発生
この長期契約が存在することで、なかなか携帯電話会社を乗り換えようという気になりません。市場の競争原理が働かず、通信料金が高止まりしていることを総務省は懸念しています。
- 現在の携帯電話会社をなかなか解約できない
- 「2年縛り」,「 4年縛り」終了のタイミングであらたな契約を打診される
- 他の携帯電話会社への乗り換え意欲が削がれ、市場原理が働かない
- 通信料金が高止まりした状態が続く
この状況を打破しようと国会に提出される予定の法案が、「端末代金」と「通信料金」の完全分離法案です。
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「端末代金」と「通信料金」を分離することで是正を図る
「端末代金」と「通信料金」が分離されることで、当記事の前半に記載した「端末代金の分を通信料金から割り引く」ということが難しくなります。今回の法案は、まさにそこを狙ったものなのです。
- 「端末代金」と「通信料金」を分離する
- 「通信料金」から「端末料金」を割り引くことが難しくなる
- 各社「通信料金」のみでの競争が行われる
- 市場の競争原理が働き、「通信料金」が徐々に下がる
「通信料金」を「端末代金」から独立させることで市場の競争原理を働かせ、業界全体の平均を押し下げたいという狙いがあるようです。
法案は早ければ3月上旬に国会に提出され、4月には成立する見通し。2019年の携帯電話業界はどのような状況になるのでしょうか?
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僕としてはこの法案で劇的に状況が変わる・・・とは考えていません。これまでも様々な方法で規制の目をかいくぐってきた携帯電話会社ですので、何らかの対抗策を考えることは間違いないでしょう。