アウディがその歴史上始めてディーゼル車を日本へ導入することとなりました。なぜこのタイミングとなったのでしょうか?
AUDI特注 1/18 アウディ Q5 クワトロ S-Line (ブラック)2018
欧州ではディーゼル車はポピュラーな存在
日本ではまだまだ少ないのですが、ヨーロッパではディーゼル車はメジャーな存在。実際にヨーロッパの新車販売台数のおよそ50%はディーゼル車が占めていて、欧州の自動車メーカーはほとんどの車種にディーゼルエンジンを用意しています。
ディーゼル車の特徴は力強いトルクと良好な燃費。ディーゼルエンジンはターボチャージャーと相性がいいため、低回転時でもガンガン加給することで大きなトルクを得ることができます。そのためまるでハイパワーのガソリンエンジンのように感じます。さらにパワーを得るために回転数をあげる必要がないため燃費も上々。ディーゼルは実はかなり合理的なエンジンなのです。(僕は以前ディーゼル車を所有していたが、素晴らしいクルマだった)

アウディのディーゼル車日本導入は初となる
さて、アウディのディーゼル車が日本に(正規ルートで)導入されるのは初。2019年2月から アウディ Q5 40 TDI クワトロ として販売される予定です。予想価格は700万円前後。車格を考えると中々妥当な価格のように感じます。
同じドイツのプレミアムメーカーであるメルセデス・ベンツやBMWがすでにディーゼル車の日本導入を済ませていることを考えると、このタイミングでの導入は正直かなり遅かったという印象。メーカーはこの時期になった理由を明言していませんが、僕はディーゼル・ゲート事件が影響していると考えています。

ディーゼル・ゲート事件とは
ディーゼル・ゲート事件とは、2015年に発覚したフォルクスワーゲングループの大型不正問題。ディーゼルエンジンの排ガス規定テストをクリアするため、テストの時のみ動作する特殊なプログラムを、企業ぐるみで組み込んだことが社会的大問題となりました。(技術的にそのようなプログラムを組み込むことは簡単だが、まさかこれほどの大企業が本当にやってしまうとは信じられなかった)
日本では当時フォルクスワーゲングループのディーゼル車は正規輸入されていなかったためそれほど大きく報道された印象はなかったのですが、欧州ではフォルクスワーゲングループの企業イメージはガタ落ち。同グループ所属のアウディやポルシェも相当影響を受けました。

日本での勝算はあるのか?
ディーゼル・ゲート事件から3年以上が経過し、ほとぼりがやや冷めたとみて日本導入となったと僕は考えていますが、アウディに勝算はあるのでしょうか?
僕は「十分にあり」だと考えています。その理由は日本にはアウディに対する逆風は小さく、ディーゼルに対して追い風があるからです。
- 日本ではディーゼル・ゲート事件の知名度が低く、アウディに対してマイナスイメージを持っている方が少ない
- ディーゼル車に給油する軽油がガソリンに比べて安価で、経済的である
しかも導入されるのはディーゼルと相性がいいと思われるSUVタイプのクルマ。それなりのヒットを飛ばすのではないでしょうか?

マツダ、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディと、ディーゼル車選択の幅は広がりつつあります。新車の購入を検討している方は是非ディーゼル車も視野に入れてみてください。