2020年に山手線に30番目の新駅が誕生します。あの場所,このタイミングに新設されるのには色々事情があるようです。
新名称は高輪ゲートウェイ
新駅の名称は色々話題になった高輪ゲートウェイ。山手線にそぐわない軽いネーミングと言われてしまえばそれまでですが、僕は数年もすれば慣れるような気がしています。
ただし駅名の公募結果と決定した名称の乖離には問題あり。応募数がもっとも多かったのは「高輪」のようですがこれはなぜか却下。続く「芝浦」,「芝浜」は駅の所在地にふさわしい名称ですが他に類似の駅名があるとのことで却下。それに続いた「泉岳寺」はすでに存在する泉岳寺駅と直結しないため却下。同率の「新品川」も却下とどんどん下位へシフトしていってしまい、最終的には130位の「高輪ゲートウェイ」に決まるというかなりお粗末な結果に。
公に駅名を募集したのであればその結果を尊重して上位の名称をつけるべきですし、それができないのであれば最初から駅名を公募するべきではなかったのでしょうね。(130位が選ばれてしまうと公募という形に不信感を覚えてしまう)
品川 – 田町 間に新設
新駅が設置される場所は品川 – 田町 間。この場所に設置されるのにはいくつか理由があります。
- 山手線の駅間の中で最も長く、列車が新駅に停車してもダイヤ上のボトルネックにならない
- 列車の車庫として使用されていた田町車両センターの土地が上野東京ラインの開通により余剰となり、新駅用地が捻出できた
- 新駅周辺に再開発の計画があり、乗降客を十分見込める
2015年の上野東京ラインの開通と、それに伴う田町車両センターの縮小の影響が大きい様子。一昔前にはブルートレイン達がところ狭しと並んでいたものですが、そのような光景が2度と見られなくなるのは残念ですね。

鉄道用地が再開発に転用されることは結構ある
鉄道用地は街の中心部にあることが多く、鉄道が廃止,移転となったタイミングで再開発されることが結構あります。
再開発が完了している例としては汐留地区。かつては汐留貨物ターミナルがあったばしょですが、今では日本テレビや電通の入居する超高層ビルが立ち並んでいます。かつてここに貨物駅があったことを知る人も少ないかもしれません。
現在進行形の例としては渋谷。東急東横線が地下鉄副都心線と直結するようになり、それまで使われていた地上ホームは取り壊されて再開発が行われています。2018年中には渋谷ストリームが完成。2019年秋には渋谷最高層となる渋谷スクランブルスクエアが完成予定。最終的に再開発が完了するのは2028年になる見込みです。
どのような成長を遂げていくのか未知数な高輪ゲートウェイ。人口減少の時代であっても大都市では開発が続いていくのかもしれませんね。