シボレー・コルベットの新型が1月中にも発表される可能性があるとのことです。今回のコルベットのモデルチェンジは、ブランドの根底をひっくり返すほどのインパクトをもっています。
コルベットはアメリカを代表するスポーツカー
コルベットはアメリカの自動車メーカGMがシボレーブランドで販売するスポーツカー。1954年から販売が継続されている歴史ある車種です。
コルベットの歴史を作り上げたのは初代から現代まで続くキープコンセプト。V8自然吸気の大排気量エンジンをフロントに搭載したFRレイアウトはアメリカンマッスルカーの象徴。そのエンジンも現代では珍しいOHVを採用して高さがかなり抑えられており、コルベットの印象的な低くて長いノーズを実現しています。
ボディはロングノーズショートデッキの典型的なFRスポーツカーのものですが、先のOHVエンジンのたまものである低くて長いノーズのおかげで迫力満点。正直1,000万円台のスポーツカーとは思えない迫力で、フェラーリのFRモデルと並んでも引けを取らないレベルです。

新型コルベットには大幅な変更が
伝統的な特徴を引き継いでいるコルベットですが、どうやら今回のモデルチェンジで大幅な変更を受ける模様。
エンジンレイアウトはFRからMRへ変更( ! )。V8エンジン自体はキープのようですがOHVは現代的なDOHCに変更され、ターボでの加給や前輪にハイブリッドを搭載した4WD化も検討されているようです。
MR化されたことによりボディ形状も大きく変化。特徴的だったロングノーズは短くなり、エンジンが搭載された分リアが伸びたMRのクルマらしいエクステリアとなりそうです。さらに価格も2,000万円をオーバーするという噂もあります。(これはまだ分からない)
正直ここまで変更するのであれば名称を変更すべきでは?と考えてしまいますね。

ブランドの扱いは難しい
こういった古くから続くブランドは会社にとって財産であると同時に扱いずらいものでもあります。
今では好調なポルシェも、911のエンジンを水冷化し全体的なデザインを近代化した際には大きなブーイングを受けました。当時ポルシェは倒産寸前とも言われましたがSUVのカイエンという新たな柱を作ることで窮地を脱しましたね。今では911の近代化はすっかり受け入れられ、さらなる進化を遂げています。
対照的なのはメルセデス・ベンツのGクラス。2018年にフルモデルチェンジを行った際に外観はほとんど変化させなかった一方、最新の材料を使用した軽量化を行ったり、インフォメーションシステムを最新のものにアップデートしました。Gクラスはデザインが命と考え、エクステリアを極力変化させないように尽力したようです。
今回のコルベットの変化がユーザーに受け入れられるかを全くの未知数。値段がフェラーリに近づくことを考えると、なかなか厳しいのではないかというのが僕の予想です。