スマートキーを悪用したクルマの盗難に注意! 欧米では一般的な盗難手法のようです

クルマ

スマートキーを悪用した「リレーアタック」という手段でのクルマの盗難未遂が大阪で発生したとのニュースが入ってきました。欧米では一般的な盗難手法のようですが、どのようなものなのでしょうか?

スマートキー自体はとても便利なデバイス

スマートキーとは最近のキーを取り出すことなくロックの解除やエンジンの始動を行えるキーのこと。一昔前まではロックを解除するにもエンジンも始動するにも本物の鍵を挿し込んで回す必要があったのですが、5年くらい前からはほとんどのクルマがこのスマートキーになっています。
キーをポケットに入れたままでクルマの操作ができるのはとても便利。ロックはドアを開けるハンドルにあるスイッチに触れるだけで解除できますし、エンジンもスタートボタンを押すだけで始動できます。「キーをひねってセルを回す」なんて言葉が通じなくなるのも時間の問題なのでしょうね。

スマートキーは常に電波を発している

このような便利な機能を利用できる理由はスマートキーが常に電波を発しているため。スマートキーから発せられる電波をクルマ側がキャッチし、キーが近くにあることを確認できるとろロックの解除やエンジンの始動が可能になるのですね。そのため、スマートキーには電波を発するためのボタン電池が搭載されていて、電池が切れると殆どの機能が使えなくなってしまいます。
当然、同じ電波を発するキーが複製できればクルマのロックは解除されてしまうため、簡単には複製できないよう高度に暗号化されています。ですが今回の盗難の手口はキーを複製するのではなく、キーが発する電波を中継する事で行われたようなのです。

盗難の手口はこうだ YouTube動画で解説

レクサスLXのオーナーがクルマを降りるといつものようにスマートキーでキーロック。ショッピングモールへ向かいます。オーナーのスマートキーからは狭い範囲にしか電波が発生していないため、クルマから離れると当然ロックは解除できません。
あとをつける犯人グループ。彼らは2人1組で、電波をそっくりそのまま中継できる特殊な装置を所持しています。ショッピングモール内で1人がオーナーに近づくとその装置がスマートキーから発せられる電波を中継。クルマの近くで待機しているもう一人の装置に電波が送られ、簡単にロックが解除されてしまいました。クルマ側がキーが近くにあると誤認識してしまうのですね。

大阪で発生した未遂事件では玄関先に置いてあったキーの電波が中継された模様。利用者側がこれを防ぐのはかなり困難と思われ、メーカー側のハードウェア,ソフトウェア対策が必要でしょう。高級車にお乗りの方もちろん、海外で人気の高いアルファード/ヴェルファイアやハイエースも注意が必要です。(今回狙われたのはおそらくヴェルファイア)