一般的なレシプロエンジンとは全く異なる動作をするロータリーエンジン。理解するのに一苦労ですが、海外のYouTuberが3Dプリンターで作成した模型をもとに解説してくれています。
ロータリーエンジンは非常に特殊なエンジン
ロータリーエンジンは一般的なレシプロエンジンとは全く異なる原理で動作します。ざっくり説明してしまうと以下の通り。
レシプロエンジン
- ガソリンと空気の混合気をピストン内で爆発させ、往復運動を得る
- 往復運動を回転運動に変換する
ロータリーエンジン
- ガソリンと空気の混合気をロータ内で爆発させ、回転運動を得る
レシプロエンジンが一度往復運動を経由しているのに対し、ロータリーエンジンは直接回転運動を得ているのですね。
直接回転運動を得ることから機械部品が最低限に抑えられるため、小型軽量化が可能でスポーツカーとしてはメリットがありました。一方燃費があまり良くなかったため、乗用車としては好まれる特性ではなかったようです。

量産化に成功したのはマツダだけ
非常に特殊なエンジンであるロータリーエンジンは量産化が難しかったことでも有名。
1957年には西ドイツでワンオフレベルでの実用化に成功し、その後メルセデスベンツやアウディが量産化に向けて努力したのですがいずれも失敗。2社と比較すると規模の小さな日本のメーカーマツダが唯一量産化に成功しました。
ロータリーエンジンの量産化に成功したことでマツダの業績は飛躍的に向上。開発前には同業他社との合併も噂されていた危機的状況から、世界唯一のエンジンを持つメーカーとして世界に名を轟かせるメーカーとなりました。
そのマツダも2012年にはロータリーエンジン搭載車の製造を取りやめてしまい、現在ではロータリーエンジン搭載の新車を手に入れることはできません。マツダは電気自動車向けの発電機として復活を目指しているようですが、まだ時間がかかりそうな情勢です。

動画で確認してみよう
動画では3Dプリンターで作成した模型をもとに動作を解説。ローターリーエンジンのみならず外部のターボチャージャーまで再現してある本格派です。吸気 – 圧縮,点火 – 排気 のそれぞれのステージがLEDで色分けされていて非常に分かりやすいですね。
どうやらこのエンジンはマツダRX-7に搭載されているものをスケールダウンしたもののよう。僕も3Dプリンターでモノを作ったことがありますが、このレベルのものを製作するのは相当大変なんだろうなと感じました。