太陽は地球上のどこを通るでしょう? という問題を出されたら、皆さんはどう答えるでしょうか?殆どの方は「赤道」と答えるでしょう。ですが実は、太陽が赤道上を通るのは1年に2回しかないのです。
太陽はどこを「通る」?
何気なく太陽が「通る」と言ってしまいましたが、「通る」とはいったいどういうことなのでしょうか?
例えばクルマなら「道路を通る」と言えるでしょう。クルマにはタイヤがあり、タイヤが道路に接しているためそう考えるのは自然なことです。
一方太陽には(当然)タイヤがありません。それどころか1億5千万kmも離れています。どこを通ると言われてもなんとも言えませんね。
そのため「地球で1番太陽に近い点を太陽がある場所とする」と考えます。地球は球状なので、地球のどの地点が1番太陽に近いかは決まりますね。真上を見上げた時に太陽がある地点です。
さらに地球は自転しているため、その場所は刻一刻と変化し、1日で地球を一周します。これが太陽の通る道となるのです。

地球の自転軸の傾きがポイント
太陽が通ると道は分かったけれど、それっていつも同じなんじゃないの? と考えるでしょう。たしかにこれまでの話で考えると、そう考えるのが自然です。
ただここで考えなければいけないことが2つあります。地球の「公転」と「自転軸の傾き」です。
公転は割と簡単で、地球が太陽の周りを1年かけて回ることです。
自転軸の傾きはちょっと難解。自転は地球自身が1日かけて回転することですが、この軸が太陽に対して直角ではありません。
この2つがあることで太陽が通る場所は1年をかけて変化します。最も北の地点を北回帰線、南の地点を南回帰線と呼ぶようですね。またその真ん中を取った線を赤道と呼びます。

季節があるのは太陽が通る場所が変化するから
太陽の通る場所が変化するとどうなるでしょうか?日本がある北半球で考えてみましょう。
太陽が赤道から北回帰線に近づいてくるほど、日本に太陽の通る道が近づいてきます。すると太陽がより高く,長い時間登るようになり、気温も上昇しやすくなります。これが夏です。太陽が北回帰線上にある日は太陽は最も高く,長い時間登ることになります。この日は夏至と呼ばれます。
逆に太陽が南回帰線に近づくと太陽が高く登らなくなり、日照時間も短くなります。これが冬で、太陽が南回帰線上にある日は冬至と呼ばれるのですね。
そして春分,秋分はそれぞれ夏至と冬至の中間にある日。この日は太陽も北回帰線と南回帰線の真ん中、赤道を通ります。太陽が赤道上を通るのは年に2回。春分と秋分のだけなんです。
日本では夏は年に1回ですが、北回帰線と南回帰線の間の地域では2回訪れます。そのような地域に滞在する際は日程の調整がおすすめです。太陽が真上に登り、影がなくなる体験ができますよ。