絶対零度ってなんだ? これ以上温度が下がることはありません

エンジニアリング

日常生活に身近な単位である温度。普段は意識することはありませんが温度には下限があり、絶対零度と呼ばれています。

そもそも温度とは?

簡単に言ってしまえば、温度とは物体の振動。世界中のあらゆる物体は目に見えないほど細かく振動していて、振動が激しいほど温度が高いということになります。
僕たちの体温は35〜40度程度ですが、これもまた細胞の振動。熱いものに触れると火傷をしたり冷たいものに触れると凍傷になってしまうのは、体と物体の振動差が大きすぎて細胞を傷つけてしまうためで、ヤスリで体を削っているのと同じような感覚です。
熱いものに触れた時に一瞬冷たく感じることがあるかもしれませんが、これは振動差が大きいことはすぐに感じ取れるのに対して、熱いのか冷たいのか判断するには少し時間がかかるためと僕は理解してします。(厳密には違うかも)

絶対零度 = 物体の振動が停止する温度

温度が高いということは振動が激しく、温度が低いということは振動が穏やかであるとしましたが、どんどん温度を下げていくとどうなるのでしょうか?
皆さんの想像通り、振動はどんどん小さくなりやがて振動は0なります。
この振動が0になったところが絶対零度。振動が停止してしまっているため、これ以上温度が低くなりようがない地点です。摂氏だと-273℃となります。
ただしこの値はあくまで理論値。実際に物体の温度を絶対零度まで下げることは(おそらく)不可能です。かの宇宙でも温度は270℃程度となっています。(それでもとんでもない数値)
なお、温度が低くなると特定の物質は面白い特性を見せるようになります。電気抵抗が0になる超電導がその代表格ですが、近々記事にしたいと思います。

下限はあるが上限はない

逆に温度をどんどん上げていってみましょう。振動はどんどん激しくなります。理論上上限はありません。
上限がない、、、といってもイメージが湧きにくいと思うので、例を挙げてみます。

  • 0℃ : 水の融点 氷が水になる
  • 40℃ : 人の体温(ざっくり)
  • 100℃ : 水の沸点 水が水蒸気になる
  • 1,000℃ : 溶岩の温度
  • 6,000℃ : 地球の中心温度 = 太陽の表面温度
  • 15,500,000℃ : 太陽の中心温度
  • 3,000,000,000℃ : 超新星爆発時の温度

宇宙レベルになると冗談のような数字になるのはいつものこと。上限はないためまだまだ上もあり得ますが、これ以上考えるのは無意味でしょう。

身近な単位である温度も、理科の視点から考えると色々発見があったりしますね。
それにしても宇宙のスケールはいつも驚かされます。僕たちの常識では測りきれないレベルです。