ポケベルがサービス終了へ どんなサービスだったのでしょうか

エンジニアリング

平成初期に大流行したポケベル。2019年中のサービス終了が発表されました。
現在の若者はほとんど触れたことのないデバイスですが、いったいどんなサービスだったのでしょうか?

電話機からポケベルへの一方通行

ポケベルの日本語名称は「無線呼び出し」。その名が表すようにポケベルは呼び出される側で、ポケベルが電話掛けたり呼び出したりすることはできません。受信専用の端末だったのですね。
現代の携帯電話と同じようにそれぞれの端末には電話番号が割り当てられ、電話機からのメッセージを受信することができました。ただし返信はできないので、折り返しが必要な時は近くの公衆電話から掛け直していたようです。
現代では考えられない不便さですが当時としては画期的だったようで、最盛期には1,000万件以上の契約があったそうです。携帯電話も存在はしていたのですが、コストが高く一般には普及していなかったようですね。

当初は数字しか受信できなかった

ポケベルのとんでもないところは当初は数字を受信することしかできなかったこと。文字を送ることができないため、数字で言葉を伝えるしかありません。
それでも当時の方々は色々考え、数字でメッセージを伝えあっていました。今から見るとそれはまさに暗号。以下のサイトでは当時のメッセージをクイズ形式で紹介していますが、僕は全く分かりませんでしたね。
【懐かしクイズ】ポケベルのサービス終了 以下の『ベル文字』を解読せよ →「084」「0833」「10105」など
それでもさすがに不便だったようで、後ほどメッセージを送ることができるサービスも登場。一方通行ではありますが現代のメールに近づいたようです。
1996年には最盛期を迎えたポケベルはその後携帯電話やPHSの低価格化に伴い衰退。双方向のやりとりが可能なメールへと時代は移っていきました。

現在も首都圏で1,500人が利用中

首都圏限定ではありますが現在でもポケベルサービスは継続されていて、1,500人程のユーザーがいるそうです。ポケベルは携帯電話のように自ら発信することができませんが、逆に言えば本体が電波を発しないため医療従事者が主に利用しているようですね。
そんなポケベルサービスを提供しているのはわずか1社なのですが、その1社が先日2019年中のサービス終了を発表。1968年に始まり1996年に最盛期を迎えたサービスは登場から51年で幕を閉じることとなりました。

僕たちが利用しているスマートフォンも30年後には、よくあんなものを使っていたと思うのかもしれません。それほどデバイスの進化は著しく、最新のものに触れ続けなければ置いてけぼりにされてしまうのでしょうね。