宇宙から宇宙を観測 ハッブル宇宙望遠鏡

宇宙

宇宙を観測することは人々の長年の楽しみでした。紀元前には地球が球体であり太陽の周りを回っていること、その他にもいくつかの惑星があることが知られていたとも言われています。
そして現代では、人間は宇宙を観測するために宇宙に望遠鏡を設置しています。

宇宙観測の大敵は大気

大気は我々が生きていくのには不可欠なものですが、宇宙観測においては厄介な存在です。
大気は光を散乱させてしまうので、宇宙からの微小な光の観測を難しくしてしまいます。
(青空や夕焼けも大気による光の散乱の結果)
そのため、望遠鏡は大気の薄い高地に設置されることが多く、4,000m級の山であるハワイ島のマウナケア山には多くの望遠鏡が設置されています。
ですが、地上ではどうしても大気の影響を受けるため、宇宙観測には限界がありました。
国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡 – Wikipedia

大気のない宇宙から観測だ

だったら大気のない宇宙から観測すればいいじゃないか。という大胆なコンセプトで打ち上げられたのがハッブル宇宙望遠鏡。
1990年に打ち上げられ、今日も宇宙を観測し続けています。
ハッブルの性能は地上の望遠鏡と比較すると圧倒的なもので、学術的な貢献はもちろん、数々の美しい宇宙の姿を僕たちに届けてくれています。
ハッブル宇宙望遠鏡 – Wikipedia

宇宙での修正ミッション

多くの成果を出したハッブル宇宙望遠鏡ですが、打ち上げ直後にはピンチもありました。
宇宙空間に打ち上げられて間も無く、観測に重要な鏡の端が0.002mm歪んでいることが判明。人間の髪の毛よりも小さな誤差ですが、予定の性能のほんの一部しか発揮できない状態となってしまいました。
NASAは急遽スペースシャトルを手配。宇宙空間で0.002mmの誤差を修正する途方も無いミッションを成功させています。
HubbleSite

30年近くも第一線で活躍するハッブルですが、そう遠くない未来に引退し、大気圏に突入して燃え尽きることとなっています。
次世代機の名はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡となる予定です。