宇宙は果てしなく広く大きいものです。
人間が観測できる大きさだけで、半径465億光年とも言われています。
一般的に最も速い光でさえ465億年かかる距離なので、人間が到達するにはずっと時間がかかります。
そんな宇宙の果てを目指している宇宙船が2機存在しています。ボイジャー1号,2号です。
ボイジャー計画 – Wikipedia

ボイジャー計画
1977年、アメリカ合衆国は2機のロケットを打ち上げました。
当時はアメリカとソ連の冷戦下で、宇宙開発を競っていた時期。予算は潤沢に割り当てられ、あらゆる計画が実行に移されました。ボイジャー計画もその中の1つです。
ボイジャー計画の最大のミッションは、木星,土星,天王星,海王星に接近し、観測を行うこと。当時は各惑星が直線上に並ぶ絶好のタイミングでした。(175年に1度のチャンス)
現在僕たちが教科書で見るこれらの惑星の画像は、ボイジャーが接近して撮影し地球に送信したものです。

宇宙の果てを目指す
無事に惑星の観測を終えたボイジャー1号,2号ですが、もう一つ与えられたミッションがありました。
それは、宇宙の果てを目指すこと。
遠く離れたボイジャーを地球へ戻すことはほとんど不可能。ならばいっそ地球の反対側、宇宙の彼方へ向かわせようという発想です。
そのため、ボイジャーには未知の知的生命体との接触を想定し、「ゴールデンレコード」が搭載されています。
これは地球の位置や地球人の姿、地球の様々な音を記したレコードで、日本からも日本語でのあいさつや伝統的な音楽が収録されています。
ボイジャーのゴールデンレコード – Wikipedia

現在のボイジャー
現在、ボイジャー1号,2号は太陽からおよそ177億km(太陽と地球の距離の約120倍) の位置におり、太陽圏外へと脱出しようとしています。
速度はおよそ15km/s。光の2万分の1程度しかありませんが、新幹線の速度の180倍です。
電波を使っての地球との通信はまだできているようですが、2030年ごろにそれも終了し、完全に人間の手を離れて宇宙の彼方へ飛んでいく見込みです。

宇宙開発が今より盛んだった時期に打ち上げられたボイジャー1号,2号。昨今の状況では同様の計画が実行されることは考えずらく、時代が産んだ夢の計画でした。